勃ちっ放しになってしまう病気!?「勃起持続症」

日本では多くの男性が勃起障害(ED)に悩んでいます。勃起しないのも困りものですが、逆にずっと勃起したままというのも困ります。「若い人はそりゃあ性欲も旺盛だし、少しのことで勃起するものだよ」などと思うかもしれませんが、勃起持続症という病気もあります。プリアピズム(priaipism)とも言われています。勃起持続症(プリアピズム)は性的刺激と関係なく、勃起が4時間以上続く状態、と定義されています。新生児を含むすべての年齢の男性に発症する可能性があります。何時間も勃ちっ放しという症状が続くと、さすがにおかしい、変だと異常事態であることに気がつくでしょう。

プリアピズムは、陰茎海綿体に血流が長時間充満することで生じます。虚血性と非虚血性に分けられます。虚血性の勃起持続症は、陰茎海綿体からの静脈血の流出が妨げられたことでおこります。動脈血の流れが途絶えて、陰茎が酸素不足になります。虚血性勃起持続症の場合は陰茎に痛みを伴い、ガチガチに硬くなって勃起します。このような症状が続いている場合は、4時間以内に病院の泌尿器科を受診してください。このようなガチガチに硬い勃起が6時間以上続く場合、陰茎が線維化して組織の壊死(腐ってしまう)に至ってしまうリスクが高くなります。非虚血性の勃起持続症は、陰茎海綿体への血流が多すぎるために生じます。動脈血が豊富になるので、陰茎内の酸素状態は問題ありません。陰茎の痛みはなく、柔らかい勃起が持続します。非虚血性の場合は、緊急性はそれほど高くありません。また、組織が壊死することもまずありません。

診断は、勃起の状態がガチガチに硬いか柔らかいか、痛みは有るか無いかといった症状で、およその見当がつきます。鑑別として、超音波検査のカラードプラという方法で陰茎の血流状態を見て、虚血性か非虚血性かを判断します。超音波カラードプラ検査で、非虚血性で外傷による勃起持続症の場合は、動脈血が損傷を受けている部分を確認することができることが多いです。また、血液ガス検査と言って、海綿体内の血液を採取して血液内の酸素の状態を調べることもあります。虚血性なら酸素が低下し、非虚血性の場合は酸素は正常です。虚血性勃起持続症の場合は、時間との勝負になります。もう少し様子を見ようとか、明日の朝まで待って朝一番で診察してもらおうなどと思っていては壊死がおこってしまいます。夜間に気がついた場合でも、泌尿器科のある救急病院を探して、速やかに受診して治療を受けてください。

勃起持続症の原因

虚血性勃起持続症の原因には、白血病などの血液の粘稠度が上がる血液疾患があげられます。血液の粘稠度が上がることで、血液が海綿体内に溜まりやすくなります。また、骨盤内に腫瘍が出来ていて、その腫瘍が陰茎の静脈を圧迫して閉塞させていることも考えられます。しかし最も多い原因は、勃起障害(ED)の治療で海綿体に注射をした時の副作用です。勃起治療薬の海綿体注射が効きすぎた、という状態です。非虚血性の場合に多い原因は、陰茎の打撲です。野球選手が球が当たって痛そうにしていることがありますが、このような場合に勃起持続症になることがあります。

勃起持続症の治療方法

非虚血性の場合は、緊急性は少ないです。自然治癒することも多いです。また後遺症を残すこともほとんどありません。それに対して、ガチガチに硬い勃起が続く虚血性の勃起持続症の場合は、緊急に治療する必要があります。治療は、まず針を刺して海綿体に溜まった血液を吸引します。そして血管が収縮する薬を海綿体内に注射します。この血管収縮薬は血圧を上げる作用があるので、血圧が高めの人は注意しつつ注射します。15分ほどして改善状態を見ます。改善しなければ、もう一度この方法でチャレンジします。それでも改善しない場合は、シャント手術になります。シャント手術は、亀頭に局所麻酔を注射してメスを入れて、陰茎海綿体と尿道海綿体を吻合する手術です。手術になってもならなくても、痛そうな治療ですが、きちんと治療しないと、陰茎が壊死に至ることもあるので、ガチガチの勃起が続く場合は、夜間でも速やかに泌尿器科を受診してください。